「血統は超一流なのに、なぜか全然走らない馬がいるのはどうして?」
「パドックや調教動画を見ても、どこをチェックすればいいのか分からない……」
競馬の予想をしていて、こんな悩みにぶつかったことはありませんか?
実は過去に、JRA(日本中央競馬会)も全く同じ悩みを抱えていました。そして、その謎を解き明かすために白羽の矢が立ったのが、オリンピックのマラソン選手などを科学的に分析・指導し、数々の好成績を収めてきた東京大学名誉教授の小林寛道先生率いる研究チームだったのです。
今回は、小林先生がJRAと共同で行った競走馬の運動能力研究のデータをもとに、**「本当に速い馬(走る馬)を見抜くための3つの秘密」**を科学的な視点から徹底解説します!
この知識をインプットすれば、あなたの馬券予想や相馬眼(パドックのチェック精度)が劇的に変わるはずです。
秘密1:速い馬は前足の「書き込み(引き込み)」が鋭い
多くの競馬ファンは、パドックやレース映像を見る際、「前足がどれだけ前に大きく伸びているか(ストライドの広さ)」に注目しがちです。
しかし、小林先生の科学的分析によると、本当に重要なのは**「伸ばした足をどう着地させているか」**でした。
走らない馬は「ブレーキ」をかけている
スピードの出ない(遅い)馬の多くは、前足をピンと前に伸ばしたまま、そのまま地面にドスンと着地してしまいます。人間で例えるなら、かかとから強く着地して突っ張っているような状態です。これだと、着地の瞬間に大きな「前方へのブレーキ」がかかってしまい、せっかくの推進力を殺してしまうのです。
速い馬は地面を「手前に引っ掻く」
一方で、本当に速い馬は、前に伸ばした足を着地する直前に**「グッと自分の体の方へ引き込んで(書き込んで)」**着地します。
着地した瞬間に、すでに足が後ろに向かって動いているため、ブレーキが一切かかりません。
パドック・調教でのチェックポイント:
前足がただ前に振り出されているだけでなく、着地の瞬間に**「地面を後ろに力強く引っ掻くような鋭い軌跡」**を描いている馬を探しましょう。この「書き込み動作」ができる馬は、一歩一歩のピッチが速く、無駄なロスなく加速できます。
秘密2:チーターと同じ!?「腰(お尻)の柔らかさ」が爆発的な末脚を生む
競走馬の骨格や走り方を研究する中で、小林先生は「動物の腰の使い方の違い」に着目しました。
古い常識「馬腰(うまごし)」の限界
昔の日本の競馬界や馬術の世界では、背中や腰をピンと張って、お尻が出っ張ったような姿勢(これを小林先生は「馬腰」と呼んでいます)が良いとされていました。荷物を背負ったり、人を乗せて安定して移動したりするにはこの姿勢が適しているからです。
しかし、「純粋にスピードを競う」となると、この姿勢は不向きでした。
現代のスピード競馬は「チーター型」
世界で最も速く走る陸上動物であるチーターやヒョウは、背骨と腰が信じられないほど柔らかく動きます。
現代の本当に速い競走馬もこれと同じで、**「腰(骨盤)が非常に柔らかく、柔軟に動く」**という特徴を持っています。
腰が柔らかい馬は、走っている時にお尻のラインが丸くなり、後ろ足が前足のすぐ近く(体の重心の真下)までグッと前に飛び出してくるような走りができます。これにより、一歩で進む距離(ストライド)が爆発的に伸びるのです。
パドック・調教でのチェックポイント:
パドックで馬の後ろ姿や歩き方を見た時、腰回りがガチガチに硬く見える馬は避けましょう。時々、競馬中継の解説者さんが**「この馬は腰の使い方が柔らかいですね」「お尻の筋肉がよく動いています」**とコメントすることがありますが、これはまさに「科学的に走る馬」の特徴を捉えた、非常に信頼できるサインです。
秘密3:競馬は血統が7割!残り3割を左右する「最新の坂路調教」
「競馬はブラッド・スポーツ(血統のスポーツ)」と言われ、数千万円、時には数億円という高値で良血馬が取引されます。
小林先生によると、昔の競馬関係者は「勝敗の90%は血統で決まる」と考えていたそうです。しかし、近年の科学的な解析によって、その常識は覆りました。現在では、**「血統が占める割合はおよそ7割」**とされています。
では、残りの「3割」は何によって決まるのでしょうか?
それこそが、**「トレーニング(調教)」「栄養(サプリメント)」「育て方・しつけ」**です。
栗東・美浦の「坂路改修」の真実
近年、JRAのトレーニングセンター(関西の栗東、関東の美浦)では、坂路(はんろ)と呼ばれる坂道コースの大規模な改修工事が行われました。美浦トレセンでも2023年に、より高低差があり、傾斜のきついタフなコースへと生まれ変わっています。
なぜ、わざわざ大金をかけて坂道を掘り、キツいコースにするのか?
それこそが、秘密1と2で解説した**「前足の書き込み力を鍛え、腰を柔らかく使わせるため」**なのです。
坂道を駆け上がるトレーニング(インターバル調教)を課すことで、馬は自然と足を力強く引き込む筋肉(胸部の筋肉)が鍛えられ、骨盤を中立に保つ柔軟性が養われます。
馬券予想への応用:
血統が超エリートというだけで過剰人気になっている馬は、この「調教による3割の底上げ」が足りていない危険性があります。逆に、血統は地味でも、**「新しくなった坂路コースで猛時計(特にハーフマイル・4ハロンのラップタイム)を叩き出し、しっかり3割の力を限界まで引き出せている馬」**こそが、レースで穴をあける激走馬の正体です。
まとめ:科学の視点をプラスして、相馬眼をアップデートしよう!
東大名誉教授・小林寛道先生の研究から分かる「走る競走馬」の条件をもう一度おさらいしましょう。
1 前足をただ伸ばすだけでなく、地面を着地直前に「グッと手前に書き込む」馬
2 チーターのように「腰(骨盤)が柔らかく」、後ろ足が前に大きく連動する馬
3 過酷な「最新の坂路調教」を消化し、血統以外の3割の可能性を引き出した馬
これからは、新聞の血統表や過去の実績データだけでなく、パドックや調教映像で**「馬の動きの質」**をぜひチェックしてみてください。
「前足の引き込み」と「腰の滑らかな連動」が見えるようになれば、危険な人気馬をバッサリ消し、人気薄の激走穴馬を見抜くことができるようになり、あなたの回収率は劇的にアップするはずです!
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