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競馬の賞金はどう分けられるのか。一口馬主を始めると、愛馬が走るたびに気になる話ですよね。ただ、最初に分けて考えたいのは、JRAが競走成績などに応じて交付する賞金・手当と、クラブが会員へ分配する金額は同じものではない、という点です。
JRAには本賞、出走奨励金、特別出走手当のほか、競走の条件に応じた距離別出走奨励賞、内国産馬所有奨励賞、付加賞があります。一方で一口馬主の会員が実際に受け取る金額は、所属クラブの規約、賞金体系、請求支払書の扱いによって確認するものです。レース結果に大きな賞金額が表示されていても、その数字をそのまま自分の口数で割ればよい、と決めつけないほうがよさそうです。
ノルマンディーオーナーズクラブでは、募集終了時に満口にならなかった馬でも、出資会員の負担が増えることはなく、出資口数に応じて維持費等の請求と賞金等の分配を行うと案内されています。ここからも、会員が見るべき単位は「レースの表示額」だけではなく、自分の出資口数とクラブの請求支払書だと分かります。
まずはJRAの賞金を「対象」と「条件」で読む
JRAの賞金は、すべての競走に共通するものと、特定の競走に交付されるものに分かれています。全競走共通のものは、本賞、出走奨励金、特別出走手当です。特定の競走に関わるものとして、距離別出走奨励賞、内国産馬所有奨励賞、付加賞があります。
本賞の対象は、全競走の1着馬から5着馬です。第2着から第5着の本賞は、第1着本賞を基準にして、それぞれ40%、25%、15%、10%となります。本賞を見るときは、単に「何着だったか」だけで終わらせず、その競走のクラス、年齢区分、一般競走か特別競走かまで見るのが実用的です。
たとえばJRAの第1着本賞は、平地、障害、年齢、クラス、一般競走・特別競走の別によって異なります。平地3(4)歳以上の区分は、春季には4歳以上、春季以外には3歳以上の競走が対象です。同じクラス名だけを頼りに金額を想像すると、競走条件の違いを見落とすかもしれません。
本賞は1着だけの話ではありませんが、6着以下も何もないとは限りません。出走奨励金は、原則として6着馬から9着馬が対象で、重賞競走および平地オープン競走では10着馬までが対象です。交付額は第1着本賞金に一定の比率を乗じて計算され、1万円未満は四捨五入されます。
ここで注意したいのが、着順が対象内でも、出走奨励金が常に交付されるわけではないことです。1着馬とのタイム差が規定を超えた場合、不交付となるケースがあります。一方、競走中に馬体に故障を発生した場合など、裁決委員がやむを得ないと認めたときは交付されます。また、平地オープン競走の一部と障害特別競走は、タイム差による不交付の対象ではありません。
レース後に「6着だったのに想定した数字と違う」と感じたら、着順だけでは判断せず、芝・ダート、距離、新馬戦かどうか、1着馬とのタイム差、そして対象外となる条件がないかを順に見る。地味ですが、この確認を挟むだけで数字の読み違いは減らせます。
出走そのものに関わる手当もある。ただし一律ではない
特別出走手当は、全ての出走馬が交付対象です。これは勝ち負けだけではなく、出走したこと自体に対応する仕組みがある、という意味で知っておきたい項目です。
ただし、出走したから同じ額になるわけではありません。JRAでは、芝の長距離条件、2歳馬競走、障害競走などに加算措置があり、反対に1着馬とのタイム差、未勝利馬が出走する時期や条件、一定の年齢・収得賞金の条件、地方馬・外国馬などには減額または不交付の扱いがあります。
特別出走手当についても、9着以下で1着馬とのタイム差が規定を超えた場合は半額交付となる仕組みです。平地オープン競走と障害特別競走は、このタイム差による減額措置の対象ではありません。また、平地の重賞競走で未出走馬・未勝利馬が規定以上のタイム差となった場合は、着順にかかわらず不交付となる扱いがあります。
さらに、3歳未勝利競走の編成終了後には、平地競走に出走した未出走・未勝利馬に対する減額措置があります。5歳以上で平地収得賞金が一定額以下の馬にも区分ごとの扱いがあります。愛馬が長く現役を続けてくれるのは応援する側にはうれしいことですが、出走回数だけから分配を単純に見積もるのはデメリットがあります。
正直、レース後に結果表だけ見て「今回はこれくらい」と考えるより、交付の条件を一度たどるほうが納得感があります。手当は存在を知るだけでなく、減額や不交付の条件まで含めて読むものなんです。
特定の競走で見る項目:距離・生産地・特別登録
対象となる競走にはクラスと競走種別の条件があり、たとえば1勝クラスでは特別競走のみが対象です。長い芝のレースで好走した際は、本賞だけではなく、この項目があるかを確認する余地があります。
内国産馬奨励賞は、平地の全競走で1着から8着となった内国産馬が対象です。第2着から第8着は第1着単価に対する比率で扱われます。また、牝馬限定競走以外の平地新馬・未勝利競走では、条件を満たす内国産牝馬に対し、内国産馬奨励賞に加えて内国産牝馬奨励賞が交付されます。3歳未勝利については春季のみが対象です。
こうした制度は、募集馬を選ぶ決め手にするというより、レース結果や請求支払書の項目を理解するための知識として役立ちます。血統、性別、距離適性、厩舎、募集価格など、出資時に考える材料は多いので、賞金制度だけで出資の判断を急ぐ必要はありません。
特別競走には付加賞もあります。特別競走では、原則として第1回特別登録を1週前の日曜日に受け付け、出馬投票である第2回特別登録は当該週の木曜日に行われます。特別登録料の総額は7:2:1で案分され、1着から3着馬に交付されます。通常と異なる日程になる場合もあるため、特別競走だから必ず同じスケジュールと考えないことも注意点です。
大阪杯、天皇賞(春)、宝塚記念、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念は200万円、フェブラリーステークス、高松宮記念、ヴィクトリアマイルなどの対象競走は150万円とされています。ただし対象はJRA所属のオープン馬であり、外国馬・地方馬は不交付です。一部の馬は不交付となるため、GⅠに出走したという事実だけで受取額を判断しないほうがよいでしょう。
クラブの分配と毎月の費用を同じ画面で見る
一口馬主として実際に気になるのは、JRAの交付額そのものより、最終的にクラブからいくら分配され、毎月いくら請求されるかだと思います。
ノルマンディーオーナーズクラブでは、愛馬が獲得した賞金の分配は毎月の月末日に指定口座へ振り込まれます。月末日が土日・祝日の場合は、金融機関の月内最終営業日です。当月の分配対象は前月の出走分で、地方競馬では21日以降の出走分が翌々月の分配対象になります。中央と地方で反映時期がずれる点は、資金管理ではけっこう気になるところです。
また、請求支払書は原則として毎月中旬までに発行されます。会員専用マイページで郵送不要の設定にしている場合は郵送されず、PDFで閲覧する形式です。入会時には郵送不要に設定されているため、「書面が来ない」と思ったときは、まずマイページの設定を確認したいところです。
出資を検討する段階では、分配の見込みだけでなく、競走馬出資金、一般会費、維持費出資金、保険料出資金という費用の全体を見る必要があります。維持費出資金は実費請求であり、個々の馬によって異なります。出資決定馬は解約・変更を受け付けない扱いなので、無理に口数を増やすより、毎月の請求が続いても負担になりにくい範囲で考えるのが向いているでしょう。
レース結果を見る順番としては、まずJRA上で本賞や手当の対象・条件を確認する。次にクラブの請求支払書で、分配対象月と実際の項目を読む。そして自分の出資口数と、その月の費用を並べて見る。この3段階に分けると、派手な賞金表示に振り回されず、愛馬の成績を落ち着いて追いやすくなります。
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